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就労移行支援、見学前に知っておきたかったこと

※本記事にはPR・広告が含まれます

社会復帰を考え始めたとき、「就労移行支援」という言葉にたどり着いた。検索してみたら、事業所のWebサイトが並んでいて、どこも「まずは見学へ」と書いてある。でも見学って何をするの? どこを見ればいいの? そもそも体調が不安定なのに通えるの?

調べれば調べるほど、事業所側が書いた「見学ガイド」ばかりが出てくる。服装は私服でOK、持ち物はメモ帳、流れは説明→施設案内→面談。……それはわかった。でも、知りたかったのはそういうことじゃなかった。

この記事は、自分がリワーク(復職支援)施設を探して見学した経験をベースに、就労移行支援の見学前に「先に知っておきたかった」と思ったことを当事者の目線で書いている。就労移行支援とリワークは制度としては別物だけれど、「社会復帰のためのリハビリ施設を探して通う」という体験の根っこは同じなので、そのまま書く。

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就労移行支援の見学で何をするのか

まず基本的なところから。就労移行支援事業所の見学は、だいたい1時間前後で終わる。

流れとしては、予約→当日訪問→スタッフから説明→施設内の見学→個別面談、という構成が多い。服装はスーツでなくて大丈夫で、持ち物もメモ帳くらいあれば十分。5〜10分前に着くくらいで問題ない。

面談では、今の体調や生活リズム、障害の種類、これからどうしたいかを聞かれる。答えづらいことは「まだ考え中です」で全然通る。見学の段階で何か決める必要はない。

一人で行くのが不安なら、家族や支援機関のスタッフと一緒に行ってもいい。見学予約のときに「同行者がいます」と伝えておけばいい。

ここまでは、どの事業所のサイトにも書いてある。問題は、書いてないほうにある。

見学前に知っておきたかった5つのこと

利用料は大半の人が無料

これ、最初に知りたかった。就労移行支援の利用料は、大手事業所の実績では7〜9割の人が自己負担0円で利用している(事業所によって割合は異なる)。

仕組みとしては、世帯収入に応じて自己負担の上限が決まっている。生活保護世帯と住民税非課税世帯は無料。年収670万円未満の世帯でも月9,300円が上限で、それ以上はかからない。休職中や離職中で収入がない場合は、ほぼ無料になるケースが多い。

交通費は原則自己負担だけれど、自治体によっては助成制度がある。通い始める前に、住んでいる地域の障害福祉課に聞いてみる価値はある。

自分がリワーク施設を調べていたとき、お金の不安が真っ先にあった。傷病手当金で生活している状態で、さらに月何万円も払うのは厳しい。でも実際には、負担がほぼゼロで通える制度だった。先に知っていれば、もっと早く動けたと思う。

体調不安定でも週1日からでいい

就労移行支援は、最終的には週4〜5日の通所を目指す場所ではある。でも最初から毎日通う必要はない。週1日から、午前だけ、それでもいい

自分の場合はリワークで、最初は週3日の半日から始めた。そこから週3日の全日になり、最終的に週5日の全日に増やした。正直、通うのはめんどくさかった(毎回めんどくさかった)。でも「行くだけでいい、行って寝ててもいい」くらいのハードルで始めたから続いた。

利用者の声でも、「最初は週2日・午前のみから始めて、3ヶ月かけて週5日に増やした」という例がある。スタッフと相談しながらペースを調整できるのが、この制度の良いところだと思う。

ただし、利用期間には最長2年という制限がある。あまりゆっくりしすぎると就職準備に使える時間が減るので、自分のペースを保ちつつも「徐々に上げていく」意識は持っておいたほうがいい。

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「就職率○%」の数字はそのまま信じない

事業所のWebサイトやパンフレットには、「就職率90%以上」のような数字が載っていることがある。これ、そのまま受け取ると判断を誤る。

厚生労働省の調査(令和6年度)では、就労移行支援から一般企業への就労移行率は約60%。事業所によってバラつきが大きいので、全国平均と特定の事業所の数字は別物として見る必要がある。

見るべきは就職率よりも定着率のほう。就職した人が半年後、1年後にまだ働き続けているか。厚労省の調査では、就労移行支援等を利用した人のほうが、支援を受けていない場合より1年後の職場定着率が大幅に高いという結果が出ている。具体的な数値は障害種別や支援機関によって異なるが、支援の有無で定着率に20ポイント以上の差がつくケースも報告されている。

自分がリワーク施設を見たとき、実績データはあまり意識していなかった。でも振り返ると、あそこが良かったのは復職のタイミングをちゃんと考えてくれるところだった。「就職させて終わり」ではなく、「続けられる状態で送り出す」を重視している事業所かどうか。そこが定着率に出る。

見学で聞くなら、就職者数よりも「就職後にどれくらいの人が働き続けているか」を聞いたほうが、事業所の本気度が見える。

事業所によって雰囲気が全然違う

これは複数の場所を検討して実感したこと。自分の場合は病院のリワークとリワーク施設を比較したけれど、雰囲気がまるで違った。

就労移行支援でも同じで、事業所ごとにプログラムの方向性、スタッフの対応、利用者の層が異なる。パソコンスキルの訓練が中心のところもあれば、グループワークやセルフケアの講義が多いところもある。

自分が見学で一番意外だったのは、「仕事の練習」よりも「過ごし方」のほうが重視されていることだった。講義やグループワークが中心で、スキル訓練だけの場所ではなかった。社会性を取り戻すこと、生活リズムを整えること、自分の状態を理解すること。そのほうが先だということを、見学して初めて実感した。

口コミでも「2ヶ所見学して雰囲気が全然違うことに驚いた」という声は多い。最低2〜3ヶ所は見学するのが後悔しないコツだと思う。1ヶ所だけ見て「こんなものか」と思うのはもったいない。

IT特化型・障害別コースという選択肢がある

全国に約3,300ヶ所以上ある就労移行支援事業所のなかには、特定の分野に特化したところがある。

たとえばatGPジョブトレは、うつ症状・発達障害・統合失調症・聴覚障害・難病の5つの障害別コースに加えて、IT・Web制作に特化したコースを持っている。障害の特性に合わせたプログラムが組まれているので、「一般的な事業所だと自分に合わない」と感じた人には選択肢になる。

さらに高度な専門性を求めるなら、Neuro DiveはAI・データサイエンス・RPAに特化した就労移行支援で、先端IT分野での就職を目指せる。

LITALICOワークスは累計17,000名以上の就職を支援した大手で、全国展開している。まず大手で見学して「基準」を作り、それからIT特化型や障害別を見に行くのも一つの方法。

利用者の声にも「一般型→IT特化型に変えたら、自分のペースで学べるようになった」というものがある。最初の1ヶ所で合わなくても、タイプの違う事業所を探す余地がある。

障害別に特化したコースが気になるなら、atGPジョブトレは見学・個別相談会を無料で受けられる。実際のトレーニング風景を見て、体験通所してから判断できる。

※ IDを指定してください。

見学当日に確認しておきたいこと

見学に行くと説明を聞くことに集中してしまい、後から「あれも聞けばよかった」となりやすい。事前にメモしておくと楽。

確認しておきたいのは以下のようなポイント。

  • プログラムの内容: PCスキル、ビジネスマナー、グループワーク、セルフケアなど、何にどのくらい時間を使うか。自分が目指す仕事に必要なスキルが身につけられるか
  • 通所ペースの柔軟性: 最初は週何日から始められるか。体調が悪い日の対応はどうか
  • 就職実績と定着率: 就職者数だけでなく、就職後6ヶ月・1年の定着率を聞く。公表していない事業所はちょっと注意
  • 企業実習の有無: 事業所内の訓練だけか、実際の企業で働く実習の機会があるか。提携先の数や、年間何人くらいが実習に行っているか
  • スタッフの資格: 精神保健福祉士、社会福祉士、公認心理師などの資格を持つスタッフがいるか
  • 卒業後のサポート: 就職した後のフォロー体制。OB・OG会やコミュニティがあるかどうか

全部聞ける時間がないなら、定着率とスタッフの資格だけでも聞いておくといい。この2つで事業所の質がだいぶ見える。

ちなみに、就労移行支援を正式に利用するには受給者証が必要になる。見学・体験の段階ではいらないので、まずは見学してから考えれば大丈夫。利用したい事業所が決まったら、住んでいる自治体の福祉窓口に申請する。交付までの期間は自治体によって異なるが、2週間〜1ヶ月程度が目安。必要書類は障害者手帳か医師の診断書など。詳しくは事業所のスタッフが案内してくれるので、見学時に「手続きの流れ」も聞いておくとスムーズ。

就労移行支援の見学で確認しておきたいポイントを整理した図

避けたほうがいい事業所の特徴

就労移行支援には全国3,300ヶ所以上の事業所があり、正直なところ質にバラつきがある。口コミでは「スタッフの離職率が高く、担当がコロコロ変わった」「プログラムが自分に合わなかったが、変えてもらえなかった」といった声もある。

見分けるポイントとしては、以下が参考になる。

就職より「在籍」を重視している印象がある。 事業所の収入は利用者数に連動するので、利用者を長く留めておくほうが儲かる構造になっている。「もう少し準備してから」と言い続けて就職活動を先延ばしにする事業所は注意。

見学時にネガティブな質問をはぐらかす。 定着率やデメリットを聞いたとき、具体的な数字を出さずに「みなさん満足されています」で終わるような対応は不安材料になる。

スタッフの専門性が見えない。 福祉専門職員配置等加算を取っていない(=有資格者の配置が少ない)事業所は、支援の質にばらつきが出やすい。

一方で、大手事業所の利用者アンケートでは大多数が「利用して良かった」と回答しているデータもあり、多くの事業所はまともに運営されている。だからこそ、2〜3ヶ所を比較して「ここは違うな」と感じる基準を持っておくことが大事。

通い始めてから「合わない」と感じた場合は、途中で別の事業所に変えることもできる。利用期間の2年は通算なので残り期間は減るけれど、合わない場所に居続けるよりはずっといい。

2026年7月、法定雇用率2.7%で何が変わるか

就労移行支援を利用するタイミングとして、2026年7月の変化は知っておいて損はない。

障害者の法定雇用率が2.5%から2.7%に引き上げられる。 従業員37.5人以上の企業に雇用義務が生じるようになり、対象企業の範囲が広がる。

当事者目線で言えば、求人は増える方向にある。ただし、「求人が増える」と「自分に合う職場が増える」は別の話。企業側の受け入れ体制や配慮設計が追いつくとは限らない。実際、HRプロの調査では6割の企業が2.7%の達成は「困難」と回答している。

つまり、雇用率引き上げは追い風ではあるけれど、だからといって就職が楽になるわけではない。むしろ就労移行支援で準備をしっかりしておくことの意味が大きくなる。支援ありとなしで定着率に大きな差が出るというデータが、ここで効いてくる。

就労移行支援からの就職を考えているなら、転職エージェントの活用も視野に入る。また、就労以前に「まず話を聞いてもらいたい」という段階なら、オンラインカウンセリングという選択肢もある。でも書く予定なので、公開されたらそちらも参考にしてほしい。

まとめ——見学は「申し込む」がいちばんしんどい

正直に書くと、見学に行ってしまえば大したことはない。服装も持ち物もそこまで気にしなくていいし、質問に答えられなくても問題ない。いちばんしんどいのは、見学に申し込む瞬間のほうだと思う。

自分の場合、電話をかけること自体は大丈夫だったけれど、「ここに通う自分」をイメージするのが難しかった。行ってみないとわからないのに、行く前にイメージしようとして止まっていた。

利用者の声でも、「見学に行くまでが一番ハードル高かった。行ってみたら拍子抜けするほど普通だった」という感想がある。

最初は行くだけでも大事。行って寝ててもいい。 自分のハードルを下げて、徐々にやれることを増やして、社会性を取り戻していく。就労移行支援はそういう場所だし、そういう使い方で合っている。

全部調べても、結局は見学してみないとわからない。でも見学だけなら無料だし、合わなければそれきりでいい。

atGPジョブトレは障害別に5つのコースがあり、Webから見学予約ができる。電話が厳しければフォームでも申し込める。

※ IDを指定してください。

リワークやデイケアで「社会復帰の準備」を経験した人なら、就労移行支援はその延長線上にある。でも書いているけれど、リハビリの先に「働く」がある。就労移行支援は、その橋渡しをしてくれる場所。

社会復帰の入口で立ち止まっている人には、こういう本もある。コミックエッセイなので構えずに読める。

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細川貂々『それでいい。 自分を認めてラクになる対人関係入門』

¥1,320(税込)

「自分はこれでいいのか」と思っている人に。精神科医・水島広子との対談形式で、対人関係の悩みを軽くしてくれるコミックエッセイ。

参考

  • 厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」
  • 厚生労働省「令和8年7月より障害者法定雇用率が2.7%に引き上げ」
  • ミラトレ「就労移行支援の利用料金」

※この記事は個人の経験と調査に基づいています。制度の詳細や利用条件は自治体やサービス提供者によって異なる場合があります。最新情報は各事業所や住んでいる地域の障害福祉課にご確認ください。医療に関する判断は主治医にご相談ください。

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